【最新】LCCとは?ANAやJALとの違い・安さの理由・メリット・デメリットをわかりやすく解説

更新日:2026年9月1日 公開日:2023年9月4日

【最新】LCCとは?ANAやJALとの違い・安さの理由・メリット・デメリットをわかりやすく解説

【結論】LCC(ローコストキャリア)は格安航空会社のことです。ANAやJALのようなFSC(フルサービスキャリア)よりもシンプルで簡略化されたサービスである分、航空券が2~5割ほど安価なので移動費を抑えたい場合に向いています。

現在、観光からビジネスまで、多くの人が移動手段として利用しているLCC。こちらが何の略であるかをみなさんはご存知でしょうか。答えは格安航空会社を意味するローコストキャリア(以下、LCC)で、日本では2010年代初頭から本格的に運航が開始されました。今や旅行の際の移動手段として必要不可欠な選択肢となっているLCC。今回は、その特徴やサービス内容を紹介します。

目次

LCCとは?LCCの意味と日本で就航しているLCC一覧

LCCとは?LCCの意味と日本で就航しているLCC一覧

LCCとは?

LCCは、機内設備の簡略化など、さまざまな工夫で効率的な経営を行い、運賃を低価格化している航空会社です。海外では1970年代終盤から運用が開始され、日本ではピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン(現在は撤退)の3社が運航を開始した2012年がLCC元年とされています。現在、日本で運航しているLCCは、ピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパン、スプリング・ジャパン、そして国際線専門のジップエア・トーキョーです。国内線・国際線を問わず多くの便が日々、運航されています。

日本で就航しているLCC

日本で就航しているLCCは以下の4社です。

国内外に就航 ピーチ・アビエーション 関西国際空港を拠点とするANAグループのLCC。創業15年で累計搭乗者数7,500万人を突破し、日本第3位の航空会社に成長。国内25路線・国際15路線を運航。
ジェットスター・ジャパン 成田空港を拠点に、JAL・豪カンタスグループ・東京センチュリーが出資するLCC。2012年の就航から14年で累計搭乗者数5,500万人を突破し、国内15都市・海外5都市へ国内線18路線・国際線7路線を運航。
スプリング・ジャパン 成田空港を拠点に、JALグループと中国LCC最大手・春秋航空グループが出資するLCC。2012年設立で、中国路線に強みを持つ中国特化型のネットワークを展開し、国内線4路線・国際線7路線(上海・北京・ハルビンなど)を運航。
国際線専門 ジップエア・トーキョー 成田空港を拠点とする、JALが出資する中長距離国際線LCC。2020年の就航から6年で、ボーイング787を使い成田からソウル・台北・バンコク・ホノルル・ロサンゼルスなど11都市を運航。「NEW BASIC AIRLINE」を掲げ、フルサービスとLCCの中間を狙う新しいスタイルの航空会社。

※2026年8月時点の情報です。

それぞれ運航している路線やサービスの範囲、搭乗時のルールなどが異なります。利用する際は目的地や予算に合わせ、利用しやすいかしっかり検討しましょう。

LCCとANAやJALとの違い

LCCとANAやJALとの違い

全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)などの大手航空会社をフルサービスキャリア(以下、FSC)といいます。FSCとLCCを比較してみると、以下のような点が大きく異なります。

比較項目 FSC LCC
価格 フルサービスを前提とした価格 あらゆる工夫で経費削減され低価格
マイル 基本的に付与される 各社さまざま
機内サービス 希望すればドリンクや防寒用のブランケットなどが提供される 有料もしくは提供そのものを行っていない
機内設備 機内で映画や音楽が視聴できるモニターが標準装備 座席の鑑賞用モニターは省略
座席 標準的なシートピッチ FSCよりも狭い間隔で座席を配置し搭乗人数を確保
預け荷物 基本運賃に20kg~23kgまでの預け荷物が無料で含まれる 各社それぞれ独自のルールがあり、有料の場合もある

|チェックインカウンター|有人カウンター、自動チェックイン機、オンラインチェックインなど選択肢が豊富。
遅れてしまった場合でも柔軟な対応が受けられる可能性が高い。|自動チェックイン機、オンラインチェックインが主流。有人カウンターでのチェックインでは手数料がかかる場合もある。
遅れてしまった場合は搭乗不可。|

FSCを利用する人は航空券の金額が高価になりますが、それに見合った様々なサービスを受けることができます。一方、LCCは、FSCが請け負うような搭乗の際の手間を自分でこなすことになりますが、少しでも費用を安くしたいという人に適した移動手段といえるでしょう。ただしLCCだと航空会社によっては、持病のある人や高齢者、幼児を含む家族、パスポートの期限が半年を切っている人が利用できないなどの制限が設けられていることも。事前にしっかり確認しておきましょう。
また、航空会社にはFSC・LCC以外のキャリアも存在します。

▼ミドル・コスト・キャリア(MCC)
スターフライヤー、スカイマーク、ソラシドエア、エアドゥなど、サービス・価格ともにFSCとLCCの中間に位置する航空会社のことです。「第3の航空会社」と呼ばれています。

これらの違いを知っておくと、「どこにコストをかけたいか」によって航空会社を選びやすくなるでしょう。では、FSCとLCCそれぞれどのようなところが違うのかさらに細かく解説していきます。

価格

LCCでは、着陸料金の安い空港の利用、機内サービスを有料化、航空券の予約・販売をオンラインや電話に限定など、あらゆる工夫で経費を削減し、低価格での運航を実現しています。航空券はFSCと比較して2~5割安いとされており、基本的に空席が多いほど料金が安くなる「空席連動型運賃」を各社で導入しています。突発的に行われる限定セールでは、さらに金額が下がることがあり、とりあえず航空券を購入して旅行の予定を立てるという人もいます。また、航空会社によっては燃油サーチャージを徴収しないことで料金を抑えている場合もあります。

マイル

LCCのマイルへの対応は、会社によって様々です。ピーチ・アビエーションには、ピーチの運賃や料金などの支払いに使える「ピーチポイント」という制度があり、ピーチカードの利用でポイントを貯めることができます。また、ANAのマイルをピーチポイント交換用のクーポンに変換するサービスもあります。ジェットスター・ジャパンでは、JALマイレージバンクの会員に登録しているとフライト予約時にJMBマイルを選択してJALマイルを貯めることができます。2018年に日本初の国際線中長距離LCCとして設立されたジップエア・トーキョーでは、「ZIPAIR Point Club」への入会でマイルを貯めることができ、JALのマイルへの交換も可能です。MCCでも、ソラシドエアやエアドゥが独自のポイントサービスを行っています。

機内サービス

LCCでは基本的に機内での食事・ドリンクが有料です。航空会社によっては保安検査後から搭乗までの間にフードコートなどで買った飲食物を機内に持ち込むことができます。しかし、生石灰を使用した加熱式の弁当、おかゆやレトルトカレーなど、ペースト状で液体物に分類される食べ物、缶詰・瓶詰めは持ち込みが不可となっています。また、機内で視聴する映画や音楽などのエンターテインメントについては、有料もしくは提供そのものを行っていないケースもあります。毛布やブランケットも大半の会社が有料としていますが、準備されていないこともあります。冬の時期に搭乗する場合は防寒対策をしておきましょう。

機内設備

低価格での運航を実現させるために、設備面でも様々な取組が行われています。航空機は、一つの会社で使用する種類を統一することで整備にかかる人件費、パイロット育成にかかる費用などを大幅に抑えています。使用する部品を限定することもコストカットに繋がっています。機内でも大半の会社がFSCで見られるような座席に付いた映画鑑賞用のモニターなどを省略しています。緊急時に使用する救命胴衣や酸素マスクなど、安全面に関わるものはFSCと同様のものが備えられ、離陸前に使い方の説明が行われます。

座席

LCCの座席はFSCよりも間隔を狭くすることで、多くの配置数を確保しています。シートピッチも5cmほど狭くなっているので、人によっては窮屈さを感じるでしょう。座席の指定は有料オプションになっていることが多く、航空会社によっては完全に自由席として指定できない場合もあります。また、各社でシートのクラス分けもあり、ピーチ・アビエーションでは追加料金を払うことでスマートシート、またはファストシートを利用できます。ジェットスター・ジャパンでは、スタンダード・シートの他にアップフロント・シート、広さが自慢のエクストラ・レッグルーム・シートが用意されています。

預け荷物

預け荷物についてはFSCとは異なり、それぞれの会社で独自のルールが設けられています。ピーチ・アビエーションでは、最も安い「ミニマム」は預かり荷物が有料となり、総重量制限100kg(1個あたり32kgまで)と定められています。「スタンダード」「スタンダードプラス」などのプランでは1個無料での預かりを行っています。ジェットスター・ジャパンでも、最も安い「Starter」での預け荷物が有料となっています。その上のプランでは無料受け入れを行っており、「Starter Plus」で20kgまで、「Business」「Business Max」は、30kgまでと重量が定められています。

チェックインカウンター

LCCの搭乗手続きは、各会社のカウンター前に設置されている自動チェックイン機や、どこでもチェックインできるスマートフォンのアプリなど、オンラインの機能を利用することで効率化が図られています。オンライン機能を使えない人はカウンターで有人でのチェックインを利用することができます。また、体が不自由で搭乗の際にサポートが必要な人は、航空券の予約時にその旨を伝えておけば、チェックイン後、スタッフによる介助を受けることができます。チェックイン時間のリミットがFSCよりも10分程度早い点にも注意が必要です。

LCCが安い理由

LCCが安い理由

LCCを低価格で利用できるのは、これまで述べてきた
・使用する航空機を統一することで整備などにかかる人件費を削減
・機内サービスの有料化、もしくは廃止
・座席の間隔を詰めることで登場できる人数を多くする
・航空券の販売・予約をオンライン、もしくは電話受付に限定
・最安プランでの預け荷物を有料化
といった経費削減の努力が主な理由となっています。
航空機での移動にそこまで快適性を求めず、とにかくコストを抑えたいという人にとってLCCは最適な移動方法であるといえるでしょう。しかし、安さが魅力である反面、遅延が多いことやフライトキャンセル時に満足な対応が受けられないといったデメリットがあることも意識しておきましょう。

LCCが安全である理由

LCCが安全である理由

LCCの安い運賃=危険性の高さと捉えている人もいるかもしれません。しかし、日本のLCCでは、これまでに墜落のような重大な事故は発生していません。LCCの安全性の高さには、事故を未然に防ぐための対策が徹底されているという背景があるといえるでしょう。

その【1】

LCCの機体は中古の格安というイメージを持たれがちですが、どの会社も比較的、新造機を導入する傾向にあります。使用期間についても、稼働率やメンテナンスのコストを総合的に判断したうえで機齢が低いうちに退役させることが多くなっています。ANAホールディングスの子会社であるピーチ・アビエーションでは、世界で最も安全いわれているエアバス社のA320やA321を使用しています。

その【2】

航空会社は規模の大小に関係なく定期的に監査を受けることが義務付けられています。パイロットや整備士が的確な資格を有しているか、航空機の整備は正確に記録されているか、正しい運航手順をふんでいるかなど、さまざまなチェックを受け、基準に満たない場合は運航停止、さらに厳しい場合は営業許可の取り消しといったペナルティが課せられます。このため、LCCも安全性の担保には重点的に取り組んでいます。

その【3】

LCCのパイロットは、他社で長年の経験を積んだベテランが採用されることが多く、技術面については保証されているといえるでしょう。自社のノウハウを知り尽くしたパイロットの確保も安全対策を講じるうえで重要となってきます。ピーチ・アビエーションでは、2019年から自社でパイロットを育成する制度を開始。2024年1月には5年の訓練を終えた受講生が副操縦士に昇格しました。

LCCのメリット・デメリット

メリット デメリット
価格 FSCより2~5割安い運賃。セールでさらに安く買える機会も。 機内食・預け荷物・座席指定などは基本的に別料金。
手続き オンラインチェックイン・自動チェックイン機でスピーディに完結。 チェックイン締め切りがFSCより約10分早く、遅れると搭乗不可。
運航 座席や機内サービスを絞った分、身軽に移動できる。 遅延・欠航が比較的多く、振り替え・補償対応もFSCより限定的。就航路線もFSCほど多くない。

LCCは運賃の安さやオンラインで完結する手軽さといったメリットがある一方、機内サービスが有料になりやすいことや、遅延・欠航時の対応がFSCほど手厚くない点はデメリットに感じるかもしれません。また、持病がある人・高齢者・乳幼児連れ・パスポートの残存期間が短い人などは、利用に制限を設けている航空会社もあります。それらも踏まえると、LCCはコストを抑えたい人・身軽に旅したい人に最適といえるでしょう。

FAQ

FAQ
Q1. LCCって何?ANAやJALとの違いは?

LCC(ローコストキャリア)とは格安航空会社のことです。ANA・JALなどのフルサービスキャリア(FSC)と比べ航空券が2~5割安い反面、機内食・預け荷物・座席指定が有料になるなどサービスが簡略化されています。

Q2. 日本国内で運航しているLCCは?

国内線を運航するLCCはピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパン、スプリング・ジャパンの3社です。国際線専門ではジップエア・トーキョー(ZIPAIR)があります。

Q3. LCCのデメリットは?

主なデメリットは、

  • 遅延・欠航が比較的多い
  • 欠航時の振り替え・補償対応がFSCより限定的
  • 機内食・預け荷物・座席指定が別料金
  • チェックインの締め切りが早い(FSCより約10分早い)
  • 就航路線が限られる

の5点です。

Q4. スカイマークやソラシドエアはLCC?

スカイマーク・ソラシドエア・スターフライヤー・エアドゥはLCCとFSCの中間の「MCC(ミドル・コスト・キャリア)」に分類されます。LCCほど格安ではありませんが、FSCよりサービスも料金も控えめです。

Q5. LCCは安全?

安全性は問題ありません。日本のLCCは国土交通省の監査を受けており、FSCと同水準の安全基準を満たしています。機体は比較的新造機を使用し、パイロットも他社でのキャリアを持つ経験者が採用されます。

おすすめの航空券をチェック!

まとめ

まとめ

高価なイメージであった空の旅を身近なものにしたLCC。時期によっては、鉄道など陸路よりも割安になることから、今後さらに利用者の増加が期待されます。航空会社によって価格や運航状況が大きく異なるため、少しでもお得に利用するには事前の情報チェックが重要になってきます。本記事でLCCの魅力を知った人は、旅行の際、移動手段の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

参考・出典

※本記事は更新日時点の情報をもとに作成しています。内容は予告なく変更される場合がありますので、最新の情報は各公式サイトをご確認ください。

PAGE
TOP